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夏の甲子園、感染リスク避けられず 生徒の安全最優先に

全国高校野球選手権大会の開催が危ぶまれる事態となった。新型コロナウイルスの感染拡大が収束していない現状ではやむをえないが、今春の選抜大会に続く中止となれば高校球児にとって厳しい決断になる。

 全国的に新たな感染者数は減少傾向にあり、全国に発令されていた緊急事態宣言は14日、39県で解除されたが、いつ感染の第2波、第3波に襲われるとも限らない。全国大会を開催する場合、選手たちは各地から甲子園球場(兵庫県西宮市)へ移動し、最長で約3週間の集団生活を送る。まして兵庫県は、感染者が多く緊急事態宣言解除が見送られた地域だ。たとえ無観客で開催し最大限の予防策を講じたとしても、選手や関係者の感染リスクを避けることはできない。

 同時期に開催予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止が4月26日に決まった。全国高等学校体育連盟(全国高体連)の会長は会見で「部活動、運動の目的は、心身の健全な育成にあり、その目的から外れることになる」と強調した。

 それは、全国高体連に加盟していない野球といえど例外ではない。国民的行事である甲子園大会とはいえ、最優先しなければいけないのはやはり生徒の安全だ。コロナ禍の閉塞感が続く中で高校野球が明るい話題を提供できる側面もあるが、今夏の開催は時期尚早といえるだろう。

 ただ、中止となれば、日頃の練習の成果を発揮する場がないまま最終学年が終わってしまう3年生の精神的ショックは計り知れない。プロを目指している選手にとっては、今後の進路にも影響が出かねない問題だ。